ダイエットの成果が出ない人や体型がなかなか変わらないという人は、食事管理がうまく出来てないか、適切な栄養バランスを知らない人が多いと感じます。
- マクロ栄養素の計算方法とPFCバランスについて
- マクロ栄養素の基本情報
- PFCのそれぞれの働き
- マクロ栄養素の計算方法
- メンテナンスカロリーの計算
- マクロ栄養素のカロリーを計算
- 目的によって自分が摂るべき摂取カロリーを把握しよう
- 食事における自己管理とは
マクロ栄養素の計算方法とPFCバランスについて
コンビニやスーパーで食品を買うとき、成分表にしっかり目を通してから購入してますか?カロリーが低いからという理由だけで選んでいませんか?
マクロ栄養素の観点から適した食事や、栄養摂取ができるように計算方法など細かく解説していきます。
マクロ栄養素の基本情報
マクロ栄養素とは、5大栄養素であるタンパク質・脂質・炭水化物・ビタミン・ミネラルのうち、特にタンパク質・脂質・炭水化物の3大栄養素のことを指し、私たちの体を動かすために不可欠な栄養素になります。
またそれぞれの頭文字「たんぱく質/Protein」、「脂質/Fat」、「炭水化物/Carbohydrate」を取って、PFCバランスとも言ったりします。
PFCのそれぞれの働き
- たんぱく質
身体動作、思考、感情、言動など人間の何気ない動作はすべてたんぱく質によるものなんです。面白いですよね。
生物はすべて細胞の集合体です。一つ一つの細胞は生命活動に不可欠な以下の3つの能力を備えています。
・自己増殖能力
・新陳代謝を行う能力
・内部環境を調節する能力
細胞のおよそ70%が水分です。たんぱく質は約15%と水に次いで多い成分で、これら三つの細胞機能をつかさどる重要な役目を果たしています。
そして、筋肉、内臓、皮膚、髪、骨、歯、腱や髄など様々部分に存在し、血液やリンパ液などの体液、体の機能を調節するホルモンの元にもなっています。身体のすべてはタンパク質が中心となるのです。
ちなみに、タンパク質は英語でproteinと書きますが、ギリシャ語で「第一人者」を意味します。まさに身体を支えるメイン栄養素としてふさわしいですよね。
- 脂質
脂質は1gにつき9kcalのエネルギーを放出し、エネルギー源として重要な働きをしています。その中には、動物性のものもあれば植物性のものもあります。
体内に存在する脂質は、以下大きく4つに分かれます。
・トリグリセリド(中性脂肪)
・コレステロール
・リン脂質
・脂肪酸
中性脂肪は、皮下や内臓周辺に貯蔵され、必要に応じて分解されエネルギーになり、コレステロールとリン脂質は、細胞膜や血管壁を形成する成分で、性ホルモンや副腎皮質ホルモンの原料となります。
脂肪酸にしても、ホルモン作用物質の原料になるものもあり、「脂質」というだけで嫌われやすい栄養素ですが、種類も多く、体の中で重要な役割を果たしています。
- 炭水化物
炭水化物が分解され糖質になると、体の中で1gあたり約4kcalのエネルギーを作り出します。体内では、主に血液中にブドウ糖の形で存在しており、血液中のブドウ糖の濃度が血糖値となります。
糖質は以下の3種類に分かれます。
- 単糖類
- 少糖類
- 多糖類
ブドウ糖、果糖などは単糖類に属し、ショ糖(砂糖)、乳糖、麦芽糖などは少糖類に属します。でんぷんや、グリコーゲンなどは多糖類に属し、代表的なエネルギー源です。
炭水化物の不足は、疲れの原因になり、脳や神経への栄養が行き届かなくなくなるため、判断力が鈍り、注意力が散漫になってきます。
マクロ栄養素の計算方法
ここからはマクロ栄養素の具体的な計算方法について紹介します。
マクロ栄養素を計算するには以下の流れになります。
- 基礎代謝量の算出
- メンテナンスカロリーの計算
- マクロ栄養素のカロリー計算
- 基礎代謝量の算出
まずは自分自身の基礎代謝量を調べましょう。基礎代謝量とは、生命活動の維持のために何もしなくても消費するエネルギーのことです。まずはこの基礎代謝を知らないと食事量の目安がわかりません。
基礎代謝量を算出するには、下記のサイトで年齢、性別、身長、体重を入力して計算しましょう。
メンテナンスカロリーの計算
基礎代謝量を知ったうえでさらに自分の運動強度を加味し計算していきます。筋トレや力仕事をしている人は基礎代謝量よりも高いカロリーを消費していますからね。
メンテナンスカロリーの計算方法
- 基礎代謝量×運動強度(係数)
【運動強度(係数)】
- 運動を全くしない、デスクワークで仕事でも動かない=1.2
- 週に1〜2回軽い運動をする=1.375
- 週に2〜3回筋トレをする、適度にエクササイズ=1.55
- 週に4〜5回筋トレをする、それなりにハード=1.725
- ほぼ毎日ハードなトレーニング、肉体労働=1.9
上の画像は僕自身の基礎代謝量を計算したものです。
僕は運動強度(係数)が4になるので以下計算式になります。
基礎代謝量1.885kacl×運動量レベル1.725 = 3.251kcal
このメンテナンスカロリーを知っておくだけで一日の総カロリーの目安になります。ただ、運動強度は日々変わる可能性がありますのであくまで目安としてください。
マクロ栄養素のカロリーを計算
最後にマクロ栄養素のカロリーを計算していきます。厚生労働省では「エネルギー産生栄養素バランス」として、生活習慣病の予防・改善の指標となる三大栄養素の目標量を、以下の通り提示しています。
- たんぱく質:13~20%
- 脂質:20~30%(飽和脂肪酸は7%以下とする)
- 炭水化物:50~65%
僕の場合、メンテナンスカロリーが3.251kcalなので、目標量の最大値で計算すると、たんぱく質で650kcal、脂質で975kcal、炭水化物で2.113kcalとなります。
【マクロ栄養素の消費カロリー】
- たんぱく質:4kcal/g
- 脂質:9kcal/g
- 炭水化物:4kcal/g
上記の消費カロリーより、一日のマクロ栄養素の摂取目安はたんぱく質が162g、脂質が108g、炭水化物が528gとなります。これはあくまで生活習慣病予防のための指標ですので、目的に合ったカスタマイズが必要です。
目的によって自分が摂るべき摂取カロリーを把握しよう
カロリー計算をする前に、脂肪を落とすのにどれだけ消費カロリーが必要か知っておきましょう。
脂肪1gをカロリーに変換すると9kcalです。脂肪の20%は水分ですので、脂肪1kgを消費するのに必要なカロリーは約7200kcalになります。1gにすると7.2kcalですね。
このことを踏まえてカロリー計算しましょう。
ダイエット中の人へ
健康的なダイエットであれば、カロリーを適度に摂って筋肉をできるだけ減らさないようにしながら、体脂肪を減らしていく必要があります。
わかりやすい計算式が以下です。
- 「メンテナンスカロリー」ー「500kcal」
自分自身のメンテナンスカロリーから500kcal引いたカロリーを一日の総カロリーとします。そうすることで一週間で3.500kcalの消費が見込めます。脂肪は1gあたり7.2kcalですから、3.500kcal÷7.2kcal=486となり、約500gの脂肪を落とすことができます、一ヶ月にすると約2kgの脂肪が落ちるということです。
今回は例として、500kcalを引いた数値を一日の総カロリーとしましたが、継続することが大切ですので無理のない範囲で設定してみてください。ちなみに僕がダイエットするときはこの計算式でやります。わかりやすいですからね。
筋肉を大きくしたい人へ
バルクアップしたい方であれば、一日の総カロリーを増やしていく必要があります。ダイエットとは逆に以下の計算式になります。
- 「メンテナンスカロリー」+「500kcal」
バルクアップに必要なのはカロリーです。一日の総カロリーを増やしつつ、その中でもたんぱく質の割合を多くすることが筋肥大につながります。
個々の目的によって、プラスするカロリーを設定してみてください。注意点として、カロリーを意図的に増やす場合は期間を設定して行ったほうが良いです。理由としては、体重の過剰な増加は、不健康リスクがあります。適切な量を判断しましょう。
体型を維持したい人へ
一日の総カロリーを算出したメンテナンスカロリーに合わせることです。増やしたり減らしたりせず、メンテナンスカロリーの300kcal前後をキープしましょう。
身体作りでは体型の維持が一番難しいといわれます。これは日々の生活の中で食事管理を行い、継続していかなければならないためです。
年齢や、生活環境によっても自分が摂取すべきカロリーは変わってきますので、いかに続けていけるかを考えてカロリー計算を行いましょう。
食事における自己管理とは
長くなりましたが、僕が思うことは「ダイエットの成果がでない」「食欲が抑えれない」という人は「脳が求めているもの」と「身体が求めているもの」の管理ができていないように思います。。
普段、頭の中では「ピザが食べたい」、「ラーメンが食べたい」など好きなものを食べたいという食欲がありますよね。これは身体が求めていることではなく脳が求めていることです。身体を変えたいと思っている人の身体は、そんな高カロリーの食事は求めていないはずです。身体のために食事をする。これが「自己管理」なんです。自分の頭にある欲は無視です。
今回紹介したカロリー計算を使って、自分の中の理想とする摂取カロリーを見つけてみてください。
Thank you for your time👍